心地よい空間づくりでの意匠的な照明選びは、好みのテイストを演出するためにも重要な要素のひとつです。中でもデザインとして取り入れるときに手軽に挑戦できるのは、ダイニングのペンダントライトではないでしょうか。そして、器具選びをというときに、意外と悩ましいのが「コードの長さ」です。いったいどのくらいの長さが適切なのか、今回はペンダントライトの長さの目安の考え方についてご紹介します。器具選びの際にぜひお役立てください。
ペンダントライトの長さの目安
基本として、床から器具の下端まで1550~1650mmの範囲内がペンダントライトのおすすめの長さです。
天井から○○mmや、ダイニングテーブルから○○mmなどの考え方もありますが、天井高は住まいにより2300mmや2400mmなど異なることもあるため、下からの高さを目安にしています。
過去の施工例でみると、ペンダントライトもシャンデリアもおおよそ床から1600mm程度が多かった印象です。1650mmの場合、背の高い方は少し邪魔に感じられる可能性もあるかもしれません。
天井の高さと器具のボリュームも重要
床からの高さの目安はあるものの、天井の高さと器具のボリュームも併せてシミュレーションすることが大切です。
天井が高天井であるなど、一般的な天井よりも高くなる場合は、もう少し高めに設定したほうがバランスが取れるケースもあります。
また、器具のシェード部分が大きいなどボリュームがあると、あまり低すぎても恰好がつかないこともあります。逆にコンパクトなシェードなど小さい器具の場合は、コードを長く高さを低く設置するとバランスがよかったりします。
基本となる高さを押さえつつ、現地の状況と器具のバランスを考慮することが大切です。
ペンダントライトを複数で設置するときは?
ペンダントライトを2台、3台など複数個で取り付ける場合は、どのような高さにすればよいでしょうか。
同じ高さで整列させる
比較的、コンパクトな器具を使う場合におすすめなのは、同じ高さで揃えることです。ライティングレールを使ってもよいですし、個別に1台1台天井から吊るしてもよいでしょう。器具は等間隔に横に並べるスタイルが多いです。器具下端の目安は1600~1650mm程度で、短くなり過ぎないようにしたいですね。
別々の高さ、器具の大きさにする
同じ種類・スタイルの器具を別々の高さに取り付ける、または、大きいサイズと小さいサイズを高さ違いに取り付けるというスタイルも多くなっています。
横一列に並べるというよりは、中心部に集める並べ方が多く、高さも大きさもあえて変えて、変化のある雰囲気を演出します。きっちり整列するだけではないため、柔らかい空間づくりにおすすめです。
ペンダントライトの長さを決めるときの注意点
ペンダントライトの長さを決めるときの注意点をいくつかご紹介します。
器具の標準長さを確認する
メーカー器具の場合は、器具のスペックが記載されている部分に「全長の長さ」があります。全長ですので器具本体・コードの長さも含めた長さです。
天井が吹き抜けである、など極端に高い場合は全長の長さでは不足するケースもありますので、事前に確認しておきましょう。
コードの長さを指定できる器具もある
有名メーカーでもコードの長さを指定できる器具もあります。ルイスポールセンなど北欧ブランドの器具の中には、有料でコードの長さ調整をしてくれる場合もありますので、標準では足りないなど調整が必要な場合は調べてみましょう。
短くしすぎない
新築などのお住まいをみていてよく感じるのは、「ペンダントライトの位置が高すぎる」というものです。担当の電気業者さんが自分の感覚でコードカット、取り付けをしていると思われるのですが、「カットし過ぎ」なことが多いです。
新築であるあるなのが、ダイニングテーブルなど家具がない状況で取り付けるため、1600mm程度に取り付けると邪魔になってしまうため、少し短めにされてしまうことです。
長いものは短くすることができても、短くカットしたものはもとに戻せないことも多いため、十分に気を付けましょう。
まとめ
ダイニングに取り付けるペンダントライトの長さは、雰囲気づくりにおいても重要です。天井の高さ、器具のボリュームなども考慮しながらにはなりますが、床から1600mm前後で設置するのがおすすめの高さです。複数個で取り付ける場合は、異なる高さにしたほうがトレンドな雰囲気を演出できるケースもありますので、理想とする住空間の写真なども参考にしながら、空間に似合う照明計画を進めていきましょう。