リビングにはダウンライトを使いたい!とお考えの方は多いと思います。でも、いったい何灯にすればよいのか、LED器具になってからはワット数ではない明るさの単位表示になっていたり、なかなか自分では判断できないものですよね。
LEDダウンライトの個数は、「㏐(ルーメン」という明るさの単位を目安にするとわかりやすくなります。
この記事では、リビングにダウンライトを計画したい方に、ダウンライトの種類やおすすめの大きさ、配置する台数、調光・調色タイプの選び方などについてご紹介します。照明計画の際にぜひお役立てください。
リビングおすすめダウンライトは75φ
はじめに、ダウンライトの径の種類についてですが、住宅の室内なら100φ、75φが候補になります。
そして、リビングのダウンライトなら、おすすめは75φです。器具がコンパクトで天井がすっきりした印象になります。どのメーカーも100φの方が種類が豊富ではあるのですが、75φもかなりラインナップが増えてきました。勾配天井だと種類はぐっと限られますが、一般的な天井ならバリエーションがあります。
リビング・ダイニング・キッチンのメイン照明をダウンライトに考えているなら、器具の個数もそれなりに多くなりますので、100φの大きさだと少し器具の並びが気になる可能性があります。そのため、直径はコンパクトに、できるだけ器具の存在感を少なくする方が、悪目立ちしにくくなりますのでおすすめです。
住宅であれば、高気密・高断熱仕様に対応した高気密SBタイプがよいでしょう。天井裏に隠れる電源装置部分の上に断熱材が乗せられても、問題なく使えるタイプです。天井裏に隠れる部分の器具高さも低く抑えられており、天井裏のスペースがあまり確保できないケースでは、さらに高さを抑えた「浅型」タイプもあります。
SBの他に、SGIやSGタイプもありますが、マット敷断熱やブローイング吹付断熱にも対応できるのがSBタイプですのでこちらがおすすめです。
ダウンライトの種類
ダウンライトは、主に調光、調光・調色、調光なしの3つに分けられます。ここでは調光できるタイプについて詳しくご紹介します。
調光タイプ
文字通り、明るさを調節できるダウンライトです。器具の種類にもよりますが、専用ダイヤルでシームレスに1~100%程度の明るさ調節ができます。しかし、電球色と昼白色の色を自由に変えるような機能はなく、一色のみで明るさ調整するタイプです。
「リビングは電球色、または温白色でよい」と決めている場合には価格もお手頃でバリエーションも豊富なためおすすめです。
調光・調色タイプ
調光と調色の両方の調節ができるダウンライトです。器具の種類により電球色から温白色の2段階で変えられるものから、電球色から昼白色まで3段階で変えられるものまであります。もちろん、それぞれの色で明るさも1~100%程度まで調節できます。
電球色でリラックスしたくつろぎの時間を、温白色で読書の時間を、昼白色で学習の時間や縫物の時間など、過ごし方により手軽に切り替えられます。
最近のシーリングライトは、調色・調光が自由に設定できる多機能なものも多く、ダウンライトでもシーリングライトのように多機能な使い方をしたいとお考えの方におすすめです。
プルレススイッチ調光タイプ
プルレススイッチ調光タイプは、専用ダイヤルではなく、壁のスイッチのみで調光操作ができるダウンライトです。ダイヤルではないため、シームレスな明るさ調節機能はありませんが、100%・70%・1%など3段階程度で調節が可能です。
専用ダイヤルコントローラーを別途で設置することなく、調光器具を導入できるのがメリットです。
リビングのダウンライトは何灯が目安?
リビングの照明計画をする際に悩むのは、ダウンライトを何灯くらい配置すればよいのか?ということではないでしょうか。照明器具メーカーであるDAIKOでは、カタログに以下のような目安が記されています。
LDKや子供部屋などしっかり明るさを確保したい空間では、1畳あたり300~500㏐(ルーメン)が目安。
玄関ホールやトイレ、廊下など小さな空間や、寝室など高い照度を求めない空間では少し抑えた照明計画。
㏐(ルーメン)とは、LED照明器具になってから明るさの目安に使われる単位です。以前のW(ワット)数のようなものですね。
「1畳あたり」とありますので、
- 6畳:1800~3000㏐
- 8畳:2400~4000㏐
- 10畳:3000~5000㏐
などが目安となる明るさと考えられます。
実際の器具に置き換えてみます。
DAIKOの3段階切り替え、調色・調光タイプの「よくばりダウン」75φの100W型と60W型を選択した場合は、必要な台数は次の通りです。
DDL-6201 FWG:100W相当:710㏐
- 6畳:1800~3000㏐ → 3灯~5灯
- 8畳:2400~4000㏐ → 4灯~6灯
- 10畳:3000~5000㏐ → 5灯~8灯
DDL-6200 FWG:60W相当:445㏐
- 6畳:1800~3000㏐ → 5灯~7灯
- 8畳:2400~4000㏐ → 6灯~9灯
- 10畳:3000~5000㏐ → 7灯~12灯
こちらの器具で10畳リビングに配置する場合は、60W相当の器具だと7~12灯ほど必要となってしまいます。100W相当なら、5~8灯で明るさが確保できそうです。
器具により㏐が異なること、天井の高さにより微調整が必要なこと、また、明るさの感じ方は個人で違っていることなどから、あくまで目安として捉えていただければと思います。
リビングおすすめのダウンライト配置計画は?
実際に照明計画でリビングのダウンライトを配置するときには、8畳、10畳では100Wタイプを4~6灯にすることが多いです。ダウンライト以外にもブラケットライトやペンダントライトなどを追加で計画することが多いため、各所を総合的に計画した明るさで検討します。
また、ご希望がなくてもリビング部は調光タイプを選択しています。明るさを自由に調節できる機能は、ホテル照明などのように便利ですし、手軽に雰囲気を変えられます。さらに調色をご希望される場合は差額をお伝えしています。調色もできると、細かい文字を読んだりするときに色を変えられて意外と便利です。
結論としては、「明るさが足りない」という失敗をしないために、100W型の調光タイプを明るさ確保の台数で、専用コントローラーと一緒に使うことがおすすめです。
リビングのダウンライト配置で気を付けるポイント
リビングまわりはダウンライトの台数も多くなるため、器具の配置・整列、ほかの照明器具とのバランスに注意が必要です。
家具の位置に合わせる
リビングではテーブルやソファなどの家具配置と、出来るだけ器具の位置を合わせるようにします。天井に梁型があったり一部が吹き抜けになっていたりするときには、建築的なデザインとのバランスを考えながら配置しましょう。
器具を整列させる
すっきりと洗練された印象にするには、器具をしっかりと整列させることがポイントです。特に、LDKではダイニングやキッチンエリアにもダウンライトを配置することがあると思いますが、その場合でも部屋ごとに独立して考えるのではなく、全体のラインを揃えて計画すると、あっちこっちと分散された印象がなくすっきりします。
明るすぎないようにする
「明るさが不足しないだろうか?」ということを心配することが多いと思いますが、雰囲気のよい心地よい灯りを演出するには、灯りを分散させることが理想的です。
ホテル照明がわかりやすいですが、天井のダウンライトの他に、ベットサイドや天井の間接照明、デスク上の灯り、部屋のコーナーにはフロアライトの灯りなど、いくつかの灯りで構成されているため、それぞれに灯りだまりができて雰囲気のよい空間になっています。
住宅であっても、リビングの灯りを最大限にするのではなく、ライン照明などの間接照明や、フロアライト、テーブルライト、ブラケットライトなどいくつかの灯りで奥行きを出しながら、ふんわりと心地よい空間となる照明計画をおすすめします。
まとめ
リビングに使われるダウンライトの種類や、おすすめの台数、配置するときのポイントなどについてご紹介しました。台数に関しては、他の照明器具とのバランスも検討しながら計画してみましょう。